大人がワクワクできるクリスマスのススメ

比布町の村中一徳町長が「良佳プラザ・遊湯ぴっぷ」に飾られたクリスマスツリーをツイッターで紹介しておいででした。

ツイッター内で「子供のころのワクワク感は完全に失われておりますが…」という町長のコメントを拝見した時に感じた、日本と海外のクリスマスの在り方の違いについてお話ししたいと思います。

クリスマスというと海外では一年で最も盛り上がるイベントであり、町のいたるところに施された華やかな飾り付けに子供大人関係なくテンションは上がり、興奮を抑えることはできません。

ホワイトクリスマスとなるとさらに特別感が増します。白い雪と華やかなオーナメントの組み合わせは最強ですから。

しかし、なぜクリスマスを盛り上げる条件がこれだけ揃っている北海道なのに、子供たちしかワクワク感を得られないのでしょうか。

大人になって子供の心を忘れてしまったからだと言う人もいるでしょう。それも一つの要因かもしれませんが、必ずしもそれだけではないと思えてなりません。

いつの時代も大人が目を輝かせワクワクしながら本気で取り組んでいることに子供たちは憧れます。

少し話が逸れますが、例えば地域のお祭りを例にしてみましょう。

町内のお兄さんやお姉さん、おじさんやおばさん、そして長老たち大勢の大人が長い時間をかけて目を輝かせながら本気で準備をした勇壮なお祭りは、見ている子供たちを「自分もいつかあの舞台で太鼓をたたきたい!」「見るだけではなく、お祭りに参加したい!」という気持ちにさせます。この時子供たちが抱くワクワク感は本物です。もちろん大人たちは子供たちの何倍もワクワクしながら、お祭りを楽しんでいるに違いありません。

一方、日本のクリスマスはというと、残念ながらまだまだ大人の本気が伝わってきません。イオンなどの大型商業施設の館内では頑張っているところもありますが、「町の雰囲気づくり」にまでは貢献できていないというのが正直な印象です。やはりクリスマスは町全体で(少なくとも町のメインストリートは)盛り上げていただきたい。このままでは大人だけでなく子供たちも「クリスマスだからって別にワクワクしない」などと言い出しかねません。

そうなったらあまりにも寂しいですし、何より北海道の雪がもったいない。

私見を述べさせていただくと、各市町村は地域をあげて「息をのむような」クリスマスデコレーションを施すべきと考えます。誤解のないように申し上げておきますが、多くのお金をかけて地域全体を豪華にクリスマス色に染めましょうというお話ではありません。1本の素敵なクリスマスツリーだけでも素敵な空間を演出することは可能です。

ポイントは3点。

まずは町のシンボルとなるクリスマスツリーを立てる。できれば毎年本物のモミの木を運んできてほしいですね。周囲にモミの木の香りが漂っていれば言うことなしです。点灯式などのイベントでクリスマスの到来をアピールして、市民のクリスマススイッチをオンにして差し上げるとよろしいでしょう。

次に、イルミネーション(電飾)の色。最近は白と青のLEDが主流となっており、それはそれで素敵なのですが、やはりクリスマスと言えば赤と緑の電飾は欠かせません。赤や緑に加えオレンジなどのカラフルでオーソドックスな電飾が真っ白な雪を彩り、極寒の中に温かみのある華やかなクリスマスムードを演出してくれます。

最後は、毎年少しずつグレードアップしていくこと。いきなり完成形を求めるのではなく、無理せず毎年少しずつ工夫を取り入れながら町が一体となって、海外の飾りつけなどを参考にしながら時間をかけて魅力的なストリートを作り上げてください。

街路樹や街灯の飾りつけは自治体が担当し、町のメインストリートにお店を出されている方々は、華やかなデコレーションを店舗同士で競い合い、地域がOne Teamとなって訪れた人たちを驚かせてみてはいかでしょう。

北海道には「クリスマス映え」するであろう素敵なストリートがたくさんあります。

旭川の買物公園、美瑛や増毛町、それに個人的に前々から気になっている下川町のメインストリートなど数え上げたらキリがありません。ところが、それらのストリートからはクリスマスに対する熱い思いのようなものが残念ながら伝わってまいりません。

大人たちが目を輝かせてワクワクしながら、他町に負けじと本気で取り組んだクリスマスデコレーションは、いつしかきっと地域のプライドとなり、子供たちだけではなく大人の心もワクワクさせるパワーが必ず宿ります。

「クリスマスだからあの町に行こう」と思わせ、訪れる人の期待を裏切らず、何度でも足を運びたくなる自慢のクリスマスストリート。

どうでしょう、今から始めてみませんか。

そしてそう遠くない未来、道内・国内のみならず海外からのお客さままでもが「今年もクリスマスは北海道で過ごそう」と毎年12月の北海道旅行を計画するようになったなら、こんなに素晴らしいことはありません。

 

リクール北海道
代表 諸橋 篤